宮崎駿の遺産:美しい愛と日本語 その5 健気だ

  • 2014.06.23 Monday
  • 10:40

風立ちぬ [Blu-ray]

ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社

今日も、宮崎駿監督の『風立ちぬ』(2013)を勉強しましょう。今日のテーマは、「健気に生きる」です。

菜穂子が名古屋に尋ねてきたとき、二郎は上司の黒川の家の離れに下宿していました。二郎はそこへ菜穂子を連れて行き、黒川に結婚式を挙げて欲しいと頼みます。




二郎と菜穂子の「健気さ」にほだされた黒川夫妻は、仲人を引き受けます。身支度をした菜穂子が、黒川夫人に連れられて、二郎と黒川が待つ離れにやってきます。





三々九度の盃を交わすと、菜穂子が居住まいを正して黒川夫妻にお礼をいいます。



「健気」を辞書で引くと、「殊勝なさま。心がけがよく、しっかりしているさま。特に、年少者や力の弱い者が困難なことに立ち向かっていくさま」となっています。

まさに、いま結核のために死に直面している菜穂子が、通常であれば考えられない結婚という困難に立ち向かっているのです。黒川夫妻が感激し、落涙しているのもわかります。

宮崎アニメの特長のひとつが、『風の谷のナウシカ』を始め「健気」な主人公に獅子奮迅の活躍をさせることにあります。その意味で、この瞬間、菜穂子がナウシカに重なります(「ナオコ」と「ナウシカ」の音の類似は偶然にせよ)。

とにもかくにも、健気な年少者や弱小者が幸せになっていくのがよい社会です。その点、宮崎アニメでは唯一ヒロインが死んでしまう『風立ちぬ』の時代、つまり大東亜戦争の時代の日本は、決してよい社会だと宮崎は考えていないということがわかります(結核を治すペニシリンさえも手に入らない日本をだれが幸福な社会だといえましょう)。

その恵まれない社会の中で、菜穂子は最後まで健気に生きていきます。そのこと自体が、必ず幸せをもたらすと信じて。まさに、健気な菜穂子の健気たるゆえんです。

今日の教訓:よい社会であれば、健気であることが成功のパスポートとなる!
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