純文学を読んで、共感を高めよう

  • 2016.11.15 Tuesday
  • 09:47
沈黙 (新潮文庫)
遠藤 周作
新潮社

 

本は、絶対に読まなければいけません。

勉強の大半が、読書で構成されるべきです。

 

もちろん、どんな本を読んでも構いません。

ですが、共感力を高めたければ、純文学を読むことです。

最新の心理学研究が、それを実証しています。

 

**********

 

小説を読めば共感力は培われるか
すべてのジャンルに同じ効果があるわけではない

By SUSAN PINKER
The Wall Street Journal 2016 年 11 月 14 日 16:24 JST 更新

 

 私は現実から離れて気晴らしをしたいときに良質な小説を手にする。だがこの習慣は、手軽な気晴らし以上のものを私たちに与えてくれるのだろうか。

 

 習慣的な読書に間接的な効果があることはよく知られている。例えば、語彙(ごい)が豊かになることなどだ。だが、それはほんの一部に過ぎない。過去10年間に蓄積された証拠によると、想像上の人物になりきるのに必要とされる頭の力は、日々遭遇する人々に対して共感する力を高めることが分かってきている。

 

 カナダ・トロント大学の心理学者、キース・オートリー、レイモンド・マー両氏が率いた2006年の研究は、フィクションを読む行動が他人の気持ちに敏感になることに関係していると主張した。研究チームは被験者のそれまでの生涯の読書量を調べるため、著者名を知っているかどうかを調べるテストを行った。この種の研究で一般的に行われるテストだ。オートリー博士のまとめによると、「フィクションの読書量が多ければ多いほど、人々の共感力は高い」ことが分かった。この効果は、ノンフィクションでは見受けられなかった。

 

 それでも、フィクションを読む行動が共感力を高めるのか、それとも共感力があることがフィクションへの関心を高めるのかは分からなかった。例えば、その人の性格など、他の要素が影響している可能性もあったはずだからだ。

 

 このため、06年当時オートリー、マー両氏のチームに参加していた一部の研究者は09年、成人252人を対象とした実験を再度行った。今回は分析の際に、年齢、性別、IQ(知能指数)、英語力、ストレスの高さ、孤独か否か、性格のタイプを考慮に入れた。チームは、被験者が文章によって物語の世界にいざなわれる傾向、つまり、傍観者として眺めるのではなく、物語の世界に入ってそれを体験しているかどうかについても評価した。

 

 被験者は最後に、共感力を客観的に調べる、「目から心を読み取るテスト(RMET)」と呼ばれる試験を受けた。これらのテストの狙いは、長期的にフィクションにさらされている状態が、実世界の人の感情や意図を直感的に理解する能力にどれほど影響するのかを調べることにあった。

 

 結果はこうだった。相矛盾する変数をいったん統計的に排除すると、フィクションの読書量から共感力の高さが予測できた。フィクションの読書量が多い人は、読書量が少ない人たちよりも現実社会で幅広い人脈を持ち、娯楽面でも心のケアの面でも豊かな生活をしている傾向にあった。この結果は、いわゆる「本の虫」は社会的不適合者であり、想像上の人物を現実の友人ないし恋人に見立てているという偏見を押しやったことになる。

 

 この研究よりも後に行われた調査では、フィクションを読む行動が他者の感情に気付いてそれを理解する能力を少なくとも短期的に高めることを裏付けた。2013年に科学誌サイエンスに掲載された一連の研究で、米ニュースクール大学の社会心理学者、エマニュエル・カスタノ、デービッド・コマー・キッドの両氏はフィクションの種類が影響するのかを調べることを試みた。

 

 研究チームは被験者(最少69人、最多356人のグループ)に対し、さまざまなジャンルのフィクションの本を渡す、文学的フィクションの本を渡す、ノンフィクションの本を渡す、または、本を全く渡さない、のいずれかを行った。チームはその後、さまざまな尺度で被験者の共感力を評価した。ノンフィクションの本を渡された群とホラー、SFおよびロマンス小説を渡された群に関しては、他者の感情や気持ちに気付く能力にほとんど影響が表れなかった共感力が高くなったのは、文学的フィクションを渡された群のみだった。文学的フィクションでは、かすかな手掛かりから登場人物の心の動きを想像する必要がある。

 

 こうした研究において、ノンフィクションを読む行動は、共感力を高めなかっただけでなく、孤独や社会的孤立が予兆された。とりわけ男性でそのような傾向が見られた。もちろん、ノンフィクションを読む行為にも利点はある。他の研究によると、語り口が読者の心を動かし、それを変える力があるものであれば、さまざまな種類のノンフィクションが共感を促し得ることが分かっている。

 

 最近の研究で、クレアモント大学院大学の神経科学者、ポール・ザク氏率いるチームは、心に響くストーリーを被験者に見せた。それは、脳に腫瘍のある幼児の父親が語る動画などだった。この動画を見た人は「オキシトシン(信用、愛情や共感を促進するホルモン)」の量が増え、慈善団体への寄付額も増加した。同じ父子が動物園を訪れている様子を映した旅行記風の動画を見た被験者には、そのような効果が表れなかった。

 

 どうやら、重要なのはストーリーが本当であるか否かではない。オートリー博士は、「(読書をしないで)自分の人生という泡の中に閉じ込もっていたら、他の人々の人生が想像できるだろうか」と問い掛けている。

 

**********

 

貧乏英語塾長にとっても、他のみなさん同様、共感力を高めることは大いにプラスになります。

そこで、いま読み始めているのが、1966年に出版された遠藤周作の『沈黙』です。

 

江戸時代初期のキリシタン弾圧を背景にした信仰の意義を論じたカトリック文学の代表作です。

小学校時代以来の読み返しとなります。

 

本書を読もうとしたのは、敬愛するマーティン・スコセッシ監督・製作により映画化されたからです。

アメリカでは12月23日、日本では来年1月21日に公開されます。

 

 公式サイト:http://chinmoku.jp/

 

主演は、アンドリュー・ガーフィールド、リーアム・ニーソン。

その他、アダム・ドライバー、キアラン・ハインズ、

浅野忠信、加瀬亮、塚本晋也、窪塚洋介が参加しています。

 

おそらく大感動作に仕上がっているはずです。

今年度のアカデミー賞最有力作といってよいでしょう。

楽しみでなりません。

 

その映画を前に、原作を読んで共感力を高めようというわけです。

悪くないアイデアでしょ。

 

とにもかくにも、古典を含め、純文学を読みましょう。

 

今日の教訓:純文学で登場人物になりきれば、仕事もうまくいく!

コメント
コメントする








    

calendar

S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
<< June 2018 >>

selected entries

categories

archives

recent comment

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM