現状を打破するには、徹底的に勉強するしかない

  • 2015.08.21 Friday
  • 12:03
英国一家、フランスを食べる
マイケル・ブース
飛鳥新社

人生において行き詰ったら、優秀な師の下で徹底的に勉強し直す。
当たり前のことですが、効果的です。

にもかかわらず、多くの日本人はそうしません。
海外のビジネススクールへの留学が減っているのが、よい証拠です。

しかし、それでは現状は打破できません。
現状を打破したければ、海外に武者修行に出かけ、徹底的に勉強することは、有力な手段です。

イギリス出身のマイケル・ブースというフードジャーナリストをご存知でしょうか。日本でベストセラーになり、アニメーションにもなった、次の本の著者です。



料理勉強家の貧乏英語塾長、筆者のユニークな日本料理体験を面白おかしく読ませてもらいました。卓越した(もちろん、変なところはありますが)料理に基づく比較文化論になっていますから、未読の人は読んでみると学ぶところが多いはずです。

その筆者がこの2冊より前に書いたのが、フランスの超有名料理学校ル・コルドン・ブルーに入学した体験記をまとめた冒頭に紹介した本です。

上の2冊が売れたために、邦題がそれを模したものになっていますが、2008年に出された『英国一家、フランスを食べる』(以下、『フランス』)では、奥さんや子供たちの登場は最小限に抑えられ、あくまで筆者マイケル・ブース氏の料理修行体験が主になっています。

この『フランス』を読んで、貧乏英語塾長、深く感銘を受けました。文体は、上掲2冊と同じく軽妙洒脱で皮肉にあふれたものですが、筆者の態度がしごく真面目なのです。

何せ、妻と子供ふたりがいて、それほど貯金があるわけでもないのに、仕事を投げ出して料理学校に通おうというのです。きちんとした覚悟があります。それは、次のル・コルドン・ブルーに出した志望動機書にも明らかです。

**********

 なせ私はいまこの時点でル・コルドン・ブルーの料理講座を受けたいと思っているのか?理由はいくつかあります。

 第1に、私は大の料理好きで、料理にすっかり魅了されているのに、どれほど料理の本を読み、料理番組を見ても、まともに料理ができるようになっていないからです。

 現在私はジャーナリストとして、料理やシェフ、レストランについて書いています。仕事柄ミシュランの星つきレストランで食事をする機会が多いため、最高峰の料理に触れ、関心をもつようになりましたが、その反面プロのキッチンでどのようにして料理がつくられているかをまったく理解していないことを、いつも痛感させられます。自宅のキッチンで本のレシピの通りに料理をつくることはできても、それは「うわっつらの料理」に過ぎません。料理の方法を「一から」学び直し、オート・キュイジーヌの技法を身につけ、食材を選んで使いこなせるようになり、最終的にはプロ並みの料理とメニューを自分で考案できるようになりたいのです。

 第2に、ジャーナリストの仕事を長年続けてきた私は、心機一転新しい課題にとりくみたいと思っています。この課題を足がかりに新しいキャリアを見つけ、料理の世界に入ることになるかどうかは、ときを経なければわかりませんが、その答えをみつけるために、コース終了後はパリのレストランで研修生としてはたらくことを望んでいます。

 いずれにしても、ル・コルドン・ブルーで要求されるレベルの料理をつくれるようになれば、より充実した人生を送れるようになり、一般のフードジャーナリストにはない、深い知識と権威をもって、料理についてかたれるようになると思うのです。(pp. 291-292、太字貧乏英語塾長)

**********

すばらしい謙虚さだと思いませんか?

このままでは、アマチュアがプロの料理を評価することになるから、これではいけないと厳しい修行を要求するル・コルドン・ブルーに入学したというのですから。

必死の修行の結果、筆者は基礎講座で5位、中級講座で首席、そして上級講座で3位という優秀な成績をあげて卒業したのです。おかげで、ジョエル・ロブションの3つ星レンストラン「ラトリエ」で研修を受けられたというのですから、その腕前は本物です。単に面白おかしいフードジャーナリストではないのです。

(ジョエル・ロブションの価値を知りたければ、六本木の3星レストラン「ガストロノミー ジョエル・ロブション」へどうぞ。ひとり5万円以上の出費は覚悟しないといけませんが。)

実際、『フランス』を読むと、そこには自分の人生を自分の力で開拓しようという強い意志を感じます。現状に行き詰ったら、多少遠回りでも、しっかり勉強して、その後の人生を変えようという。

こんなに優秀な成績でル・コルドン・ブルーを卒業した筆者です。どこか星つきレストランのシェフとして就職することもできたでしょう。しかし、筆者は、そうしません。その家庭を大事にできない猛烈に忙しい仕事をやめて(星つきレストランのシェフのほとんどは、離婚経験者だとか)、フードジャーナリストとして世界を家族とともに回る生活をしています。

そういう決断をできたのも、フランス料理の世界を外から眺めるのではなく、内側からじっくりと観察した結果にほかなりません。こうして筆者の人生は、ハードな「勉強」によって、より充実したものになったのです。

終身雇用の保証のない今日、どこの職場にいても、生き残るためには必死に勉強するしかありません。

その中でも、もっともリスキーですが、もっともリターンが多いのが、マイケル・ブース氏が試みた留学です。言葉の不自由な外国で自分を見つめなおすことにより、多くの真実が見えてきます。

貧乏英語塾長としては、多くの日本人の若者が、ブース氏のように、自分の人生のために、しっかりと勉強しなおしてくれることを切望してやみません。

今日の教訓:勉強し直して、失うものは何もない!
コメント
コメントする








    

calendar

S M T W T F S
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031 
<< July 2020 >>

selected entries

categories

archives

recent comment

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM