せこくないと勝負には勝てない

  • 2016.08.16 Tuesday
  • 10:45

リオ五輪を映像で観ることは、貧乏英語塾長、ありません。

TVをもちませんし、だらだらとTV観戦するのは時間の無駄だと思っています。

 

しかし、インターネットによって、ほとんどの競技結果は把握しています。

特に、勝因・敗因の分析論文は、丁寧に読むようにしています。

その中には、普遍的に通用する成功・失敗の法則が述べられていることが多いからです。

 

惨敗に終わった女子マラソンの敗因を分析した有森裕子さんの論文が、まさにそれでした。

 

**********

 

解説者の目(有森裕子)
マラソンの定石外した? 力ある女子に失望 

2016/8/15 6:30 日本経済新聞 電子版

 

 日本勢には3位に入る力があると思っていたので、かなりがっかりした。残念に思うのは、マラソンの基本といってもいいことができていないからだ。

 

 今回のマラソンコースは5キロ過ぎから海沿いの周回を3周するものだった。その周回の間は道幅が非常に広かった。日本勢はその特徴に合わせたコース取りができていなかった

 

■良くなかった福士のコース取り

 

 序盤の田中智美の位置取りは良かった。10キロまでは先頭集団の中に身を置いてレースを進めた。

 

 しかし、福士加代子のコース取りは良くなかった。身を置く場を定めず、うろうろする感じで、集団の外側(進行方向に向かって左側)に出ている時間が長いのが気になった。

 

 マラソンの定石にのっとると、最短ラインを示す路面のレッドライン上を走る必要があった。それは効率を考えてのことだけではない。

 

 今回のように道幅が広く、空間が大きく空いていると、自分のスピードを感じにくい。しかし、ライン上を走っていれば、ラインが後ろに流れていく感じからスピードを体感できる。

 

 うまく推進していると自覚できた方が気持ちよく走れる。それが精神的にプラスに働いて、ペースをキープしやすい。マラソンランナーがよくコースの端の柵沿いを走りたがるのも同じ理由からだ。大河の真ん中より川岸を進んだ方が速く感じると言えば、わかってもらえるかもしれない。

 

 コース取りが悪いと、給水所でボトルを取りに行くうえでもムダな動きをしなければならないどこを走ったらいいのかは事前に計画し、頭に入れておかなくてはならない

 

 伊藤舞に続き、15キロで田中が遅れ、福士も中間点を過ぎたところでマズロナク(ベラルーシ)が集団のペースを上げると対応できなかった。

 

■給水所近づくたびに「揺さぶり」

 

 給水所が近づくたびに、ケニア、エチオピア勢を中心とした先頭集団はペースアップして、水を取りに行った。しばらくするとペースは落ち着いたが、結果的にこれが「揺さぶり」になり、日本勢はこのスピードの上げ下げに順応できなかった

 

 日本の3人は私より能力があるのは間違いないし、練習量も多い。あの時点ではペースも日本選手がついていけないものではなかった。給水所でのペースの上げ下げは、どの大会でも起こることなので、それを想定した練習も普通は積んでいるはずだ。

 

 それなのに、あっさり引き離されてしまったのはなぜなのか。コース取りが悪く、ムダな動きをしているから、余分に消耗してしまったのではないかと思えてならない。

 

 先頭に近いところを走っていれば、上げ下げに素早く対応できるが、少しでも集団から離れてしまうと、対応が遅れる。後手に回り、消耗度も高くなる。やはり、もっと粘って先頭集団に食らいついていくべきだった

 

 レースではこういうコースだから、どういうコース取りをして、どんなレース運びをするのかを徹底的に考えるものだ。ふだんの練習のときから、そういうことを意識する必要がある練習でやっていないことは試合ではできないのだから。

 

■勝つために、小さな事を徹底的に

 

 他を圧する力があるなら、どこを走ってもいいが、そうでない場合はささいなことにこだわる必要がある。大したことじゃないと思えるようなことを徹底的に追求し、小さなことの積み重ねで差を埋めていく。いい意味で、せこくないと勝負には勝てない

 

 マラソンとはどういうものなのかと考えていくと、コース取りも重要な要素になる。気温や風の強さ、向きに対する対策は当然しなければならないが、コースをどう走るかというシミュレーションも同じくらい大切なのだ。

 

 日本勢の脱落後、レースはにわかにハイペースになり、優勝争いは終盤のスプリント勝負に持ち込まれた。金メダルはケニアのスムゴング、銀はケニアから帰化したバーレーンのキルワ、銅はエチオピアのM・ディババ。4位にもエチオピアのツェゲエが入り、今回も東アフリカ勢が強さを見せつけた。

 

 そこで「ケニア、エチオピア勢はやっぱり強い」と言って「どうしたらアフリカ勢との差を埋められるのだろう」とだけ考えるのは間違っている

 

 日本の前を行っているのはアフリカ勢だけではない。日本はベラルーシにも米国にも北朝鮮にもラトビアにもイタリアにも負けた。その現実から目をそむけてはいけない。アフリカを追いかける前に、差を詰めなければならない国がたくさんあるのだと、きちんと認識する必要がある。この結果を重く受け止め、4年後の東京五輪を目指してほしい。

 

(バルセロナ五輪、アトランタ五輪メダリスト)

 

**********

 

有森さんは、この論文の中で、成功するための基本を「せこくあること」と教えています。

 

「せこさ」とは、有森さんいわく、

大したことじゃないと思えるようなことを徹底的に追求し、小さなことの積み重ねで差を埋めていく

ことです。

 

そして、必要なことを徹底的に考え抜いて、

当たり前にできることを、どんな状況でもできるようにしておくのが、練習だと指摘されます。

 

その意味で、どうやらそれをやってこなかった日本選手3名は、負けても仕方ないようです。

 

成功を偶然に勝ち取ることはあるかもしれません。

ですが、失敗には偶然はありません。

 

必然的なミスが重なって、失敗は生まれるのです。

その必然性を潰すのが、練習というものです。

 

人前で泣かなければならないようなことが起きる前に、せこく練習したいものです。

 

今日の教訓:負けるには、負けるだけの必然的理由がある!

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