国際企業の経営者になりたかったら、ビジネス・スクール留学をしよう

  • 2016.04.19 Tuesday
  • 12:17


留学を怖がる日本人の若者が増えています。
そのために、海外の大学・大学院へ留学する日本人が減っています。
とても嘆かわしい事実です。

海外でもまれなければ得られない大切なことは、大量にあります。
サントリーの新浪剛史社長も、ハーバード・ビジネス・スクール(HBS)の留学が転機でした。
そのおかげで、いまの地位を獲得されているのです。
後に続く人が増えてほしいと願ってやみません。
 
4月11日の当ブログ「欧米ビジネス・スクールで、『修行』するのも悪くない」で紹介した日経スタイルの記事の続編です。

**********

私を変えたMBA
「情熱よりハーバード流で現場分析」
新浪剛史サントリーHD社長に聞く(下)

NIKKEI STYLE 2016/4/18

 サントリーホールディングス(HD)の新浪剛史社長(57)が明かす、自身のMBA(経営学修士)体験。ハーバードビジネススクールでの過酷な日々を乗り切り、後半はいよいよ経営者への挑戦が始まる。MBAで学んだ経営知識や経営哲学、そしてリーダーシップ。それらが思う存分力を発揮する時が、ついにやってきた。

■MBAを取って職場に復帰。社内ベンチャーの立ち上げや、ローソンへの経営参加などを通じ、経営者としての頭角を現し始めた。

 ハーバードビジネススクールは経営者になるためのゼネラルマネジメントを学ぶところなので、卒業したころには、自分も経営をやってみたいという気持ちが強くなっていました。

 まず社内ベンチャーをやろうと思い立ち、当時の自分の担当とはまったく関係ない、病院給食事業への参入を会社に提案しました。1年目は却下。めげずに、友人を介して米国で同様のサービスをしている企業のトップに会いに行き、日本でジョイントベンチャーをやろうと口説き落としました。すると、会社もそれならいいだろうと認めてくれ、お金も出してもらいました。

 事業に対する情熱は人一倍ありましたが、情熱だけでは先行する大手に勝てません。どうやったら勝てるか、現場を回り徹底的に分析しました。まさにハーバードで学んだ「マイケル・ポーターの競争戦略」の世界です。その結果、勝敗を分けるのはご飯とみそ汁の味だという結論に達し、そこに資源を集中。また、同じレシピでも機械の微妙な調子の狂いで味が変わるので、そこも改善。こちらはやはり、MBAのケーススタディーで学んだ生産工学の知識が生きました。こうして、大手を打ち負かすことができました。

 その後、三菱商事がローソンの経営参画を決め、そのプロジェクトの責任者に就いたのですが、その際には、ファイナンスの授業で学んだバリュエーション(企業の価値評価)などの知識が非常に生きました。企業買収といった時には、通常、投資銀行の人たちと一緒に仕事を進めるのですが、彼らの難しい話も手に取るように理解でき、それが好結果につながったと思います。

 持論ですが、今の企業経営では、ファイナンスのわからない人物をCEO(最高経営責任者)にすべきではありません。同様にCFO(最高財務責任者)も非常に重要です。CFOはその会社の戦略まで立てられるようにならないとだめで、ただの経理マンでは会社は成長しません。私もローソン時代、やはりMBA取得者でファイナンスに詳しい三菱商事の副社長に、ローソンのCFOに就任してもらいました。

 ただ、経営者にはそうした専門知識だけでなく、現場の社員と血の通ったコミュニケーションをする能力も求められます。むしろ、そちらのほうが実際の経営では大事だったりすることもあります。こうしたコミュニケーションの取り方というのは、ビジネススクールで学ぶというよりも、実際に経営の経験を積みながら徐々に学んでいきました。

■サントリーに来て2年目。創業者精神と、ものづくりの大切さを、社員に訴える。

 ハーバードで学び、いまだに自分の経営者としてのDNAの中に脈々と流れているのは、企業文化を維持し、伝えていくことの大切さです。

 ハーバードの2年目に「マネジメントプラクティス」という授業がありました。毎回、世界的に有名な企業の様々な事例を議論し、最後にその企業の代表者が教室に入ってきて、学生の前でその事例について話をするという内容でした。

 特に記憶に残っているのが、米ジョンソン・エンド・ジョンソンの例です。米国で1980年代、同社の解熱鎮痛剤タイレノールに何者かが毒物を混ぜ、7人の死者を出した事件がありました。同社は毒物混入の疑いが取りざたされた時点で、素早く動き、多額の費用を掛けて製品の回収を徹底的に進めました。結果的に、同社に対する社会の信用はさらに高まり、社員の忠誠心も強くなりました。回収決断の背景にあったのが、「消費者の命を守る」という同社の企業文化、またはクレド(信条)と呼ばれるものです。

 逆に、自分たちの企業文化を軽視し、目先の利益にこだわる会社は長続きしません。ものづくりも一緒です。米国では、短期の株主利益追求のためにものづくりを犠牲にした結果、製造業が競争力を失っていきました。そうした失敗事例も、その授業でたくさん学びました。

 サントリーにも、立派な創業以来の企業文化やものづくりの精神があります。それらを安易に曲げず、しっかりと守っていくことが、ジョンソン・エンド・ジョンソンの例からもわかるように、長期的には企業価値の向上につながるのです。

■自らの経験から、内向きの日本の若者に、MBA留学のすすめを説く。

 日本の若いビジネスパーソンはもっとMBA留学したらいいと思います。日本の会社も、そういう人材をどんどん採用すべきです。グローバル化の時代、経営のフレームワークを身につけていないと、海外の企業相手に共通のビジネス言語で話をすることがなかなか難しい。個人にとっては、ビジネススクールに行けば、思考力を鍛えることができます。ケーススタディーの授業では、徹底的に議論しますが、これが正解だというのはありません。だから思考力が鍛えられるのです。これに対し日本の教育は、正解を一生懸命見つける教育ですから、それと正反対のことをやることは、とても有意義なことだと思います。

 経営者としての私の仕事も、正解のない経営課題について、思考をフル回転させ、最後は自分で意思決定しなければなりません。まさに、かつてハーバードで訓練を積んできたことです。その意味では、ハーバードの2年間がなければ、今の自分はなかったと思います。

インタビュー/構成 猪瀬 聖(ライター)

**********

サントリーは、代表取締役会長の佐治信忠氏が慶應義塾大学経済学部卒業後カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の経営大学院であるアンダーソン・スクール・オブ・マネージメントでMBAを取得しておられ、代表取締役副会長でマスターブレンダーである鳥井信吾氏が甲南大学理学部卒業後南カリフォルニア大学(USC)大学院(微生物遺伝学)に留学されていますので、トップ3が米大学院留学経験者ということになります。

こういう会社は、これからも徐々に増えていくはずです。特に国際ビジネスの最前線ではMBAをもっていることは、最低必要条件です。そのうえでどれだけ実績を積み増ししたかが問題になります。

率直に申し上げて、日本の大学・大学院と比べて、アメリカの大学・大学院は設備も学生の質もはるかに上です。多額の費用をかけて、世界中から優秀な教授・学生を集めているからです。

それを利用しないというのは、ビジネスパーソンとして大いなる損失です。ぜひとも、新浪社長のようにビジネス・スクール留学をはたし、その「修行」で培った自信で日本の経済界を引っ張って行ってもらいたいと願います。

今日の教訓:アメリカには、日本で学べないことが山とある!
コメント
コメントする








    

calendar

S M T W T F S
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031     
<< December 2018 >>

selected entries

categories

archives

recent comment

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM